虫眼とアニ眼 (新潮文庫 み 39-1)

虫眼とアニ眼 (新潮文庫 み 39-1) (文庫)

養老 孟司
宮崎 駿
☆☆☆☆+ (6件のカスタマーレビュー)

価格:¥ 460(税込)

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商品の詳細

  • 文庫
  • 出版社: 新潮社 (2008-01-29)
  • ISBN-10: 410134051X
  • ISBN-13: 9784101340517
  • 商品の寸法: 15 x 10.4 x 1.2 cm
  • おすすめ度: ☆☆☆☆+ (6件のカスタマーレビュー)

カスタマーレビュー

  • おすすめ度: ☆☆☆☆+
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  • ☆☆☆☆_ 戦前生まれで広深な経験と知識を持つ二人が語る日本社会の過ちと今後  2009-08-02
  • 0 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
  • 戦前生まれの二人は思考・思想的に多くを共感出来るようで共通の認識は、戦後の高度成長期に日本は道を誤り(しかしその恩恵を自らも享受し)、資本主義に毒された今の日本社会は狂っていて何とかしなければいけないというものです。

    この解釈は1971年に切腹死した三島由紀夫氏や20世紀最高の日本画家・東山魁夷氏といった超一流の芸術家に通じますが、簡易に分り易く読める一方、お二人の広く深い歴史・文化・思想等の知識を基に対談が成されており、読み応えがあると思います。

    1997年から2001年にかけての対談で巻頭カラーの宮崎さんのイラストと文から崖の上のポニョに繋がるシーンが発見できますが、一般の宮崎作品のファンの方も宮崎さんの思想を垣間見られる点でお薦めできます。
  • ☆☆☆☆☆ 物事を見続ける眼  2009-06-28
  • 2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
  •  この対談集は 一言で言うと 年をとっても子供のままのお二人の放談集のようなものかもしれない。

     この放談の中で 二人が一番一致しているのは「人間は人間しか見ていない事が問題である」という点だ。
     これに関しては 宮崎は 自身の山小屋での生活を上げ、養老は 虫取りから説明している。お互いに 別々の素材から 上記命題を汲み上げている点が興味深かった。

     経済学にしても経営学にしても心理学にしても生物学にしても医学にしても芸術にしても かなりの人間の「学問」とは「人間とはどういう動物なのか」を解明しようとしている点にあると最近よく思う。そんな僕にして 「人間だけしかみていないから駄目なのだ」というお二人の意見は 正直 意表を突かれた思いだ。
     
     但し 自分を振り返ると 子どもの頃に 虫を追いかけたり 川で尻餅ついてびしょびしょになったり 原っぱで転んだりしていた日々も確かにあった。あの頃は 真剣に昆虫や魚や草に自分が対眦していたことも確かだ。そうして そんな部分が 今なお 自分に残っている。それが 本書を読んでいて 自分の中に共鳴している。

     人間だけしか見ていないことで 起こりつつある悲劇が見えてきた現在、陳腐ながら 「子供の眼」は 大きな武器になるのかもしれない。題名である 虫眼もアニ眼も 要は 「子供の眼」ということなのだろう。もちろん それは純真無垢な眼といった ステレオタイプの眼ではない。きらきらとした眼ではなく 物事をじろっと見続ける力のある眼なのではあるまいか。
  • ☆☆☆☆☆ 愛すべきイヤな親父です  2008-10-28
  • 5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
  • 宮崎駿さんによる冒頭のイラストがとても素晴らしい。
    この人は映画作家である前に、ひとりの完成された絵師なのだ。そして吐く言葉は辛辣なのに、自分でも持て余すほど、心の中には愛をため込んでいる。
    時に極論になりかける氏の言葉を、養老先生が温かく聞き、時に鋭い批評を加え、ふたりの会話が膨らんでいく様が読んでて大変心地よかった。
    これから親御さんになられる方、また小さい子供をお持ちの方には、下手な教育書よりも参考になると思います。
  • ☆☆☆☆☆ 自然に眼を向けられる教育が必要なのだろうと感じた  2008-02-12
  • 7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
  •  養老孟司さんと宮崎駿さんの全3回の対談を書籍にしたものです。宮崎さんが描いた装丁、アニメ「養老さんと話して、ぼくが思ったこと」は宮崎監督が本書のために描いている。対談も面白いですが、こちらを見るだけでも価値ありです。

     TVなどで拝見すると、お二人とも少年のような目を持ち若々しい印象を受けますがその秘密が垣間見れます。本書では、養老さんは(虫)について、宮崎さんは(アニメ)について語っていくのですが、根っから大好きだというのが伝わってくる。

     対談の中身も考えさせられる点が多くあります。現在は、人間へ興味が集中しすぎているという話しがあります。人への興味がいきすぎるあまり事件、いじめなどに発展している可能性があるといいます。お二人のように、興味が人だけでなく、自然に眼を向けられる教育が必要なのだろうと感じた。
  • ☆☆☆☆☆ 自分たちに欠けている眼  2008-02-09
  • 11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
  • 本当に面白いし、自分たちが持っていない視点を気付かされる本です。

    宮崎駿さんは「未来少年コナン」や「ルパン三世カリオストロの城」以来全ての作品が好きで見てきていますが、本人の発言を読んだのは初めてでした。
    両氏の発言で感じるのは、今の教育や子どもの環境に対して「ちょっと変だぞ」と言った感じ。

    養老さんの唯脳論以来の主張である脳化、都市化ということが、自然が持つような圧倒的なディティールを無視するようにしてきたという話も、宮崎さんとの対談の中で読んでみると新鮮でした。
    宮崎さんの「トトロを100回も子どもが見ています」という親御さんへの反応として、「トトロは1年に一回観て、後は子どもと、山へどんぐりを捜しに行って欲しい」というのも、養老さんと通じ合う教育観を持っているのは興味深かったです。その根底で通じ合っている感じが、対談を面白いものとして感じさせるのでしょうね。

    私にとっては、宮崎さんの持っている綺麗ごとだけではなく泥だらけになりながら物事を生み出していく、人間味に溢れた人柄に接することが出来たことと、巻等に載っている宮崎さんの考える子どものための保育園や街のイラストが非常に興味が惹かれ面白かったです。この保育園はぜひとも現実になって欲しい!

    今となってはご高齢になっているお二人ですが、虫眼、アニ眼を通して世の中への提言を続けていって欲しいと思いました。
    是非一読されることをお奨めします!